奥津軽の美しい四季と調和する 奇跡のステンドグラス

中泊町尾別の旧家宮越家の9代当主・正治は、大正9年(1920)33歳の誕生日を迎える夫人イハのために、瀟洒な離れ「詩夢庵(しむあん)」と、枯山水・池泉庭園を融合した「静川園(せいせんえん)」を完成させました。

 

詩夢庵は、建具や調度に贅が凝らされ、なかでも3ヶ所の窓の装飾は、ステンドグラス作家・小川三知に依頼しました。これらの作品は、当時のデザイン潮流を意識しながらも、和の意匠を巧みに織り込み、技巧的なガラス技術の粋が盛り込まれていることも相まって、三知の最高傑作と評価されています。

 

静川園は、大正15年(1926)逓信大臣・安達謙蔵が訪問した名園として知られます。日本画家・橋本関雪が京都東山に造成した国名勝「白沙村荘」の影響が随所にうかがわれ、園内には達磨像を安置する達磨堂や各種の石造物、またかつては茶室も存在しました。詩夢庵を囲むように、大石武学流庭園、枯山水庭園、池泉庭園の3種類の庭園が配置され、四季折々の景観を楽しむことができます。

小川 三知 Sanchi Ogawa

大正から昭和初めに活躍したステンドグラス作家。橋本雅邦に学んだ日本画の素養とアメリカ留学で身に付けた高度なガラス技法を武器に、やわらかな線と湿潤な色合い、余白から立ちのぼる清麗な気品を醸し出す独特の作品群を生み出しました。慶應義塾図書館や旧鳩山一郎邸ほか、個人邸のステンドグラス作品を多数手掛けましたが、関東大震災や戦災等により、オリジナルを保っている作品は少ないとされます。

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宮越家 離れ/庭園 Miyakoshi House Annex/Garden

青森県中泊町

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宮越家 離れ/庭園 大正浪漫かほるステンドグラス
奥津軽の 美しい四季と調和する 奇跡のステンドグラス
小川 三知 Sanchi Ogawa
Miyakoshi House Annex/Garden