○中泊町新規就農者育成総合対策経営開始資金交付要綱
令和5年5月31日
告示第67号
(趣旨)
第1条 この要綱は、次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農直後の経営確立に資するため、新規就農者育成総合対策実施要綱(令和4年3月29日付け3経営第3142号農林水産事務次官依命通知。以下「国実施要綱」という。)に基づき、予算の範囲内において新規就農者育成総合対策経営開始資金(以下「資金」という。)を交付するものとし、その交付に関しては、この告示の定めるところによる。
(交付要件等)
第2条 資金の交付を受けることができる者は、次の各号に掲げる交付要件のいずれにも該当するものとする。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
ア 町内の農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、基盤強化法第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条に基づく認定を受けたもの又は特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化促進法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 青年等就農計画に経営開始資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン及び農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると町長に認められること。町は当該経営が新規参入者と同等の経営リスクを負っていると町長が認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は提示すること。なお、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は交付の対象外とする。
(6) 地域計画(基盤強化法第19条に規定する地域計画をいう。)のうち目標地図(基盤強化法第19条第3項の地図をいう。以下同じ。)に位置付けられている、若しくは位置付けられることが確実と見込まれること、人・農地プラン進め方通知の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知の3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知の4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種取決め等(以下「人・農地プラン」という。)に中心となる経営体として位置づけられ、又は位置づけられることが確実と見込まれていること、あるいは農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「目標地図に位置付けられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 別記3雇用就農資金、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)の別記2農の雇用事業、新規就農者確保加速化対策実施要綱(令和3年1月28日付け2経営第2558号農林水産事務次官依命通知)の別記2就職氷河期世代雇用就農者実践研修支援事業、新規就農者確保緊急対策実施要綱(令和3年12月20日付け3経営第1996号農林水産事務次官依命通知)の別記2雇用就農者実践研修支援事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)の別記1経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
エ 別記1経営発展支援事業又は新規就農者確保緊急対策実施要綱(令和3年12月20日付け3経営第1996号農林水産事務次官依命通知)の別記6初期投資促進事業(以下「初期投資促進事業」という。)について補助対象事業費の上限額である1,000万円(夫婦の場合は750万円)の助成を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
(8) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町が認める場合に限り、採択及び交付を可能とする。この場合、町は生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は提示すること。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(11) 令和2年4月以降に農業経営を開始した者であること。
(交付金額及び交付期間)
第3条 交付金額及び交付期間は、以下のとおりとする。
(1) 資金の額は、交付期間1月につき1人あたり12万5千円(1年につき150万円)とし、交付期間は最長3年間(経営開始後3年度目分まで)とする。
(2) 夫婦で農業経営を開始し、以下の要件を満たす場合は、交付期間1月につき夫婦合わせて、前号の額に1.5を乗じて得た額(1円未満は切捨て)を交付する。
ア 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
イ 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
ウ 夫婦共に目標地図に位置づけられた者等となること。
(青年等就農計画等の承認申請)
第4条 資金の交付を受けようとする者は、青年等就農計画等を作成し、町に承認申請する。なお、青年等就農計画等を作成するに当たっては、町に相談し、計画の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、西北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室等の関係機関、国実施要綱の定めるサポート体制(以下「サポート体制」という。)の関係者等から助言並びに指導を受けることとする。
(青年等就農計画等作成への助言及び指導)
第5条 町は、資金の交付を受けようとする者が青年等就農計画等を作成するに当たっては、当該者に対し、西北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室等の関係機関、サポート体制の関係者等と協力して、青年等就農計画等の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、必要な助言及び指導を行うものとする。
(青年等就農計画等の承認)
第6条 町は、資金の交付を受けようとする者から青年等就農計画等の承認申請があった場合には、青年等就農計画等の内容について審査する。なお、審査に当たっては西北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室等の関係機関やサポート体制の関係者による面接等の実施により行う。
(資金の交付)
第10条 資金の交付申請を受けた町は、申請の内容が適当であると認めた場合は資金を交付する。資金の交付は、半年分を単位として行うことを基本とし、青年等就農計画等の承認後、速やかに資金の交付を行うものとする。なお、町の判断により、1年分の資金を一括で交付することができるものとする。
(就農状況報告等)
第11条 資金の交付を受けた者(以下「交付対象者」という。)は、次に掲げるとおり就農状況等を報告する。
(2) 交付対象者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に氏名、居住地や電話番号等を変更した場合は、変更後1箇月以内に住所等変更届(様式第7号)を町に提出する。
(4) 交付対象者は、交付期間終了後5年の間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農後1箇月以内に離農届(様式第10号)を町に提出する。
(就農期間中の確認)
第12条 交付対象者の就農期間中の就農状況等の確認は次のとおり行う。
(1) 就農状況報告の確認
(2) 経営状況の確認
ア 交付対象者への面談
a 営農に対する取組状況
b 栽培・経営管理状況
c 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
d 労働環境等に対する取組状況
イ 圃場確認
a 耕作すべき農地が遊休化されていないか
b 農作物を適切に生産しているか
ウ 書類確認
a 作業日誌
b 帳簿
c 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用貸借、賃貸借若しくは売買契約書、公告のあった農用地利用集積計画若しくは農用地利用配分計画、特定作業受委託契約書又は都市農地の貸借の円滑化に関する法律第4条第1項の規定に基づく事業計画のうち該当する箇所のいずれかの書類の写し。以下同じ。)
(就農中断者の状況確認)
第13条 町は、交付対象者から交付終了後の就農継続期間中に就農中断届の提出があり、その内容がやむを得ないと認められる場合、就農の中断を承認する。なお、就農中断期間は就農を中断した日から原則1年以内とする。また、町は就農中断届の提出のあった資金交付対象者の就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、就農再開に向けたフォローアップを行う。
(交付の停止)
第14条 町は、交付対象者が次に掲げる事項に該当する場合は資金の交付を停止する。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合。
(2) 農業経営を中止した場合。
(3) 農業経営を休止した場合。
(4) 第11条の就農状況報告を行わなかった場合。
(5) 第12条の就農状況の現地確認等により「交付対象者の考え方」を満たさない等、適切な農業経営を行っていないと町が判断した場合(例:青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合、耕作すべき農地を遊休化した場合、農作物を適切に生産していない場合、農業生産の従事日数が一定(年間150日かつ年間1,200時間)未満である場合、町から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合など)。
(6) 国が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合。
(7) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合(その後、世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から交付を再開することができる)。ただし当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町が認める場合に限り、交付を可能とする。この場合、町は生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は提示すること。
(交付の中止)
第15条 資金交付対象者は、資金の受給を中止する場合は、町に中止届(様式第12号)を提出する。
(交付の休止)
第16条 資金交付対象者は、病気などのやむを得ない理由により就農を休止する場合は、町に休止届(様式第13号)を提出する。なお、休止期間は原則1年以内とする。
2 町は、資金交付対象者から休止届の提出があり、やむを得ないと認められる場合は、資金の交付を休止する。なお、やむを得ないと認められない場合は、資金の交付を中止する。
4 町は、資金交付対象者から経営再開届の提出があり、適切に農業経営を行うことができると認められる場合は、資金の交付を再開する。
(2) 虚偽の申請等を行った場合は資金の全額を返還する。
(3) 資金の交付期間(休止等、実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間、同程度の営農を継続しなかった期間(月単位)を交付期間(月単位)で除した値を乗じた額を返還する。ただし、第11条第3号の手続きを行い、就農を中断した日から原則1年以内に就農再開し、就農中断期間と同期間さらに就農継続した者を除く。
(申請窓口)
第19条 資金交付対象者が位置づけられ、又は位置付けられることが確実と見込まれている目標地図又は人・農地プランの策定市町村が申請の窓口となり、交付することを基本とする。
2 目標地図又は人・農地プラン策定市町村と資金交付対象者の居住市町村が異なる場合は、両市町村で調整の上、居住する市町村から交付することができる。
(交付情報等の登録)
第20条 町は、青年等就農計画等や交付申請書等の提出があった場合、データベースに交付情報等を速やかに登録するものとする。
(サポート体制等の整備)
第21条 町は、新規交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」、「農地」の各課題に対応できるよう、西北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室、つがるにしきた農業協同組合、株式会社日本政策金融公庫等金融機関、農業委員会等の関係機関に所属する者及び指導農業士等の関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。また、様式第17号により、当該サポート体制等を記載した新規就農者に対するサポート計画(以下「地域サポート計画」という。)を新規就農者の支援ニーズを把握した上で作成し、ポータルサイト及び全国データベースに登録し、公表するものとする。
2 町は、当該サポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」、「農地」のそれぞれの専属の担当者(サポートチーム)を選任し、交付対象者の上記各課題の相談先を明確にするものとする。サポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とする。当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
3 交付対象者が早期に経営を安定・発展させ、地域に定着していけるよう、サポート体制の関係者は次に掲げるア及びイについて、サポートチームは次に掲げるウについて行うものとする。
ア 青年等就農計画等作成への助言及び指導
イ 審査への参加
ウ 就農状況の確認、助言及び指導
(農業共済等の積極的活用)
第22条 町は、青森県農業共済組合津軽支所と連携し、交付対象者に対し、経営の安定を図るため、農業共済その他の農業関係の保険への積極的な加入を促すものとする。
(交付対象者情報の共有)
第23条 町は、交付対象者の情報を共有することにより、交付対象者が定着し、地域の中心となる農業経営体となっていくまで、より丁寧なフォローアップに活用するとともに、交付状況の確認、重複や虚偽申請の確認のために利用するものとする。
2 町は、データベースに交付情報等を速やかに登録するものとする。
3 町は、本事業の実施に際して得る個人情報については、様式第18号により適切に取り扱うものとする。
(効率的かつ適正な執行の確保)
第24条 町は、本事業が国民の貴重な税金を財源として実施されることに鑑み、交付対象者に対し、地域農業の振興に努めることを十分周知する。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。