○中泊町経営発展支援事業助成金交付要綱
令和4年9月13日
告示第116号
(趣旨)
第1条 農業従事者が減少する中、持続可能な力強い農業を実現するには、次世代を担う農業者の育成・確保に向けた取組を講じていく必要がある。このことから、新規就農者育成総合対策実施要綱(令和4年3月29日付け3経営第3142号農林水産事務次官依命通知。以下「国実施要綱」という。)別記1に基づき、次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農後の経営発展のために必要な機械・施設の導入等の取組に対する助成金を予算の範囲内で交付するものとし、その交付に関しては中泊町補助金等の交付に関する規則(平成17年中泊町規則第61号。以下「町補助金規則」という。)に定めるもののほか、この告示に定めるところによる。
(交付対象者の要件)
第2条 町は、以下の要件を満たす者に対し、助成金を交付する。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、基盤強化法第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条に基づく認定を受けたもの又は特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。
(4) 青年等就農計画に経営発展支援事業申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「経営発展支援事業計画等」という。)が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始する者であり、継承する農業経営の現状の所得、売上若しくは付加価値額を10%以上増加させる、又は生産コストを10%以上減少させる経営発展支援事業計画等であると町に認められること。
(6) 人・農地プランの具体的な進め方について(令和元年6月26日付け元経営第494号経営局長通知。以下「人・農地プラン進め方通知」という。)の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種取決め等(以下「人・農地プラン」という。)に中心となる経営体として位置づけられ、若しくは位置づけられることが確実と見込まれること、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 国実施要綱別記3の雇用就農資金による助成金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
イ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
(8) 機械・施設の取得費用等について、交付対象者本人が金融機関から融資を受けること。
(9) 豚、いのしし、鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥及び七面鳥を飼養する農業経営の場合は、都道府県による飼養衛生管理基準遵守状況等について確認が行われていること。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(助成対象)
第3条 助成の対象となる事業内容は、次に掲げる取組であって交付対象者が自らの経営においてそれらを使用するものであることとする。
(1) 機械・施設等の取得、改良又はリース
(2) 家畜の導入
(3) 果樹・茶の新植・改植
(4) 農地等の造成、改良又は復旧
2 本事業以外の国の助成事業の対象として整備するものではないこと(融資に関する利子の助成措置を除く。)
3 第1項の事業内容は、個々の事業内容ごとに、次に掲げる基準を満たすものとする。
(1) 事業費が整備等内容ごとに50万円以上であること。
事業の対象となる機械・施設等(中古資材等を活用して整備する施設を含む。以下同じ。)が中古機械・施設等である場合には、事業費が50万円以上であり、かつ、町が適正と認める価格で取得されるものであること。
(2) 機械・施設等の購入先の選定に当たっては、一般競争入札の実施又は農業資材比較サービス(AGUMIRU「アグミル」)の活用等による複数の業者からの見積もり徴取等により、事業費の減少に向けた取組を行うこと。
(3) 第1項第1号については次に掲げる基準を満たすこと。
ア 原則として、事業の対象となる機械・施設等は、法定耐用年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年3月31日大蔵省令第15号)第1条第1項に規定する耐用年数をいう。以下同じ。)がおおむね5年以上20年以下のものであること。
ただし、事業の対象となる機械・施設等が中古機械・施設等である場合には、上記に加え、中古資産耐用年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年3月31日大蔵省令第15号)第3条に規定する耐用年数をいう。以下同じ。)が2年以上のものであること(法定耐用年数を経過したものについては、販売店等による2年間以上の保証があるものに限る。)。
イ 原則として、運搬用トラック、パソコン、倉庫、フォークリフト、ショベルローダー、バックホー、GPSガイダンスシステム等農業経営の用途以外の用途に容易に供されるような汎用性の高いものではないこと。ただし、以下に掲げる場合には、この限りではない。
(ア) フォークリフト、ショベルローダー、バックホー及びGPSガイダンスシステム(農業用機械に設置するものに限る。)等の機械については、以下の要件を全て満たすものであること。
a 農産物の生産等に係る作業に使用する期間内において他用途に使用されないものであること。
b 農業経営において真に必要であること。
c 導入後の適正利用が確認できるものであること。
(イ) 環境衛生施設(トイレ等)、ほ場観測施設、中継拠点施設(農機具格納庫等)等の施設については、(ア)のaからcまでの要件に加え、ほ場又はほ場の近接地に設置するものであること。
ウ 整備を予定している機械・施設等が、交付対象者の経営発展支援事業計画等の成果目標の達成に直結するものであること。
エ 町が国実施要綱別記1第9の2の(3)に基づき作成する事業計画の提出以前に自ら若しくは本事業以外の補助事業を活用して着工若しくは着工を予定し、又は整備の完了した機械・施設等を本事業に切り替えて整備するものではないこと。
オ 整備を予定している機械・施設等について、園芸施設共済、農機具共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保証等の加入等、気象災害等による被災に備えた措置がされるものであること。なお、その加入等の期間は、被覆期間中や災害の発生が想定される時季に限定せず、通年で加入等するものとし、また、当該機械・施設等の処分制限期間において加入等が継続されるものとする。
カ 整備を予定している機械・施設等の施工業者等が、「農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン」(令和2年3月農林水産省策定。以下「GL」という。)で対象として扱うデータ等を取得する場合は、そのデータ等の保管について取り決めた契約がGLに準拠していること。
キ 導入した機械・施設等について、担い手育成・確保等対策事業費補助金等交付要綱(平成12年4月1日付け12構改B第350号農林水産事務次官依命通知)別記様式第10号の財産管理台帳を作成し、耐用年数(新品の場合には法定耐用年数、中古機械・施設等の場合には中古耐用年数。以下同じ。)が経過するまでの間、保管すること。
ク 機械・施設等のリースの手続等については、別紙により行うこと。
4 第1項第1号の機械・施設等については、「農業用機械施設補助の整理合理化について」(昭和57年4月5日付け57予第401号農林水産事務次官依命通知)の基準を適用しないものとする。
(助成額)
第4条 本事業の交付対象者の補助対象経費は、第3条第1項の取組に必要な経費とし、補助対象事業費の上限額は1,000万円(国実施要綱別記2第2の2経営開始資金の交付対象者の場合は、500万円)とする。
2 夫婦で農業経営を開始し、以下の要件を満たす場合は、夫婦合わせて、第1項の補助対象上限額に1.5を乗じて得た額を上限額(1円未満は切捨て)とする。
(1) 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等となること。
3 複数の青年就農者が農業法人を設立し、共同経営する場合は、当該青年就農者(当該農業法人及び青年就農者それぞれが人・農地プランに位置づけられた者等に限る。)のそれぞれに対して第1項の額を上限額とする。
なお、令和4年度以前に経営開始している農業者が法人の役員に1人でも存在する場合は、当該法人の他の役員も交付の対象外とする。
(目標年度)
第5条 事業実施年度の4年後の年度とする。
(成果目標)
第6条 経営発展支援事業計画等で選択した取組について、成果目標とする。
(経営発展支援事業計画等の承認申請)
第7条 本事業の助成を受けようとする者は、経営発展支援事業計画等を作成し、町に承認申請する。なお、経営発展支援事業計画等を作成するに当たっては、町に相談し、計画の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、西北地域県民局地域農林水産部農業普及振興室(以下、「県農業普及振興室」という。)等の関係機関、第24条のサポート体制の関係者等から助言及び指導を受けることとする。
(経営発展支援事業計画等の承認)
第8条 町は、前条の規定により経営発展支援事業計画等の承認申請があった場合には、内容について審査し、国実施要綱別記1第9の2の(3)により県に承認を受けた市町村経営発展支援計画事業計画に基づくものについて承認する。経営発展支援事業計画を承認した場合は、申請した者に通知する。
(経営発展支援事業計画等の変更申請)
第9条 交付対象者は、経営発展支援事業計画等に記載された取組を変更し、中止し、又は廃止する場合は、町に計画の変更を承認申請するものとする。
(助成金の交付決定)
第12条 町は、前条の規定による助成金の交付申請があったときは、助成金を交付決定について、速やかに審査を行うものとする。
2 助成対象者は、本事業による整備に着工したときは、速やかにその旨を着工届(様式第4号)により、町長に届け出るものとする。
(事業の竣工)
第15条 助成対象者は、本事業による整備がしゅん工した場合には、速やかにその旨をしゅん工届(様式第5号)により、町長に届け出るものとする。
(実績報告)
第16条 交付対象者は、経営発展支援事業計画等に記載された取組を完了したときは、実績報告兼助成金支払請求書(様式第6号)を作成し、町に報告する。
(就農状況報告)
第17条 交付対象者は、事業実施の翌年度から経営発展支援事業計画等に定めた目標年度の翌年度まで、毎年7月末及び1月末までにその直前の6か月(実績報告後1回目の報告においては、実績報告後又は就農後からの期間)の就農状況報告(様式第7号)を町に提出する。
(住所等変更報告)
第18条 交付対象者は、経営発展支援事業計画等に定めた交付期間内に氏名、居住地や電話番号等を変更した場合は、変更後1か月以内に住所等変更届(様式第8号)を町に提出する。ただし、国実施要綱別記2の第6の2の(6)のイにより住所等変更届を提出している場合は、本報告を行ったものとみなすことができる。
(就農報告)
第19条 交付対象者は、実績報告後に就農する場合は、就農後1か月以内に就農届(様式第9号)を町に提出する。ただし、国実施要綱別記2の第6の1の(7)の報告を提出した場合は、当該報告をもって提出したものと見なすことができる。
(その他)
第20条 交付対象者は、予定の期間内に事業が完了しない場合、事業の遂行が困難となった場合又は本事業により導入した機械・施設等の耐用年数が残存する間に使用が困難となった場合は、その旨を町に速やかに報告する。
(経営発展支援事業計画等)
第21条 町は、本事業の助成を受けようとする者が経営発展支援事業計画等を作成するに当たっては、当該者に対し、県農業普及振興室等の関係機関、第24条のサポート体制の関係者等と協力して、経営発展支援事業計画等の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、必要な助言及び指導を行うものとする。
2 町は、本事業の助成を受けようとする者から提出された経営発展支援事業計画等の承認申請があった場合には、内容について審査し、国要綱別記1第9の2の(3)により都道府県に承認を受けた市町村経営発展支援計画事業計画に基づくものについて承認する。経営発展支援事業計画を承認した場合は、申請した者に通知する。
(助成金の交付)
第22条 助成金の交付申請を受けた町は、申請の内容が適当であると認めた場合は助成金を交付する。
(1) 交付対象者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 経営発展支援事業計画等の達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) 圃場確認
ア 耕作すべき農地が遊休化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用貸借、賃貸借若しくは売買契約書、公告のあった農用地利用集積計画若しくは農用地利用配分計画、特定作業受委託契約書又は都市農地の貸借の円滑化に関する法律第4条第1項の規定に基づく事業計画のうち該当する箇所のいずれかの書類の写し。以下同じ。)
(サポート体制の整備)
第24条 町は、交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」、「農地」の各課題に対応できるよう、県農業普及振興室、農業協同組合、株式会社日本政策金融公庫等金融機関、農業委員会等の関係機関に所属する者及び指導農業士等の関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。
2 町は、当該サポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」、「農地」のそれぞれの専属の担当者(サポートチーム)を選任し、交付対象者の各課題の相談先を明確にするものとする。サポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とする。当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
3 交付対象者が早期に経営を安定・発展させ、地域に定着していけるよう、サポート体制の関係者は次に掲げる(1)及び(2)について、サポートチームは次に掲げる(3)について行うものとする。
(1) 第21条第1項の経営発展支援事業計画等作成への助言及び指導
(2) 第21条第2項の審査への参加
(3) 第23条の就農状況の確認、助言及び指導
(整備した機械・施設等の管理運営等)
第25条 町は、交付対象者に対し、整備した機械・施設等を、常に良好な状態で管理し、必要に応じて修繕、改築等を行い、その整備目的に即して最も効率的な運用を図り、適正に管理運営するよう指導するものする。
(1) 管理方法
ア 町は、交付対象者が整備した機械・施設等について、助成金の交付目的に沿った適正な管理を行わせるため、耐用年数に相当する期間に準じて処分制限期間を設定させるものとする。
イ 町は、交付対象者に対し、機械・施設等の管理状況を明確にするため財産管理台帳を備え置かせるものとする。
ウ 町は、交付対象者に対し、機械・施設等の管理運営状況を明らかにし、その効率的運用を図るため、管理運営日誌又は利用簿等を適宜作成し、整備及び保存させるものとする。
エ 町は、交付対象者がウで作成した機械・施設等の管理運営日誌又は利用簿等を各年度に少なくとも一度提出させるなど、機械・施設等の管理状況を定期的に把握し、必要に応じて交付対象者に指導を行うなど、適正な管理運営等が行われるようにするものとする。なお、過去に他の補助事業により整備した機械・施設等についても、同様に適切な管理運営等が行われるように努めるものとする。
(2) 財産処分の手続
町は、交付対象者が整備した機械・施設等について、(1)のアで設定した処分制限期間内に、当該助成金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供しようとするときは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「補助金適正化法」という。)第22条に準じた財産処分として、町補助金規則第22条に基づき財産処分の申請を行わせ、町の承認を受けさせるものとする。また、町は、当該申請の内容を承認するときは、財産処分の基準等に留意し、その必要性を検討しなければならない。
(3) 災害の報告
町は、交付対象者が整備した機械・施設等について、処分制限期間内に天災その他の災害により被害を受けたときは、直ちに交付対象者に報告させるものとする。
(4) 増築等に伴う手続
町は、交付対象者が整備した機械・施設等の移転若しくは更新又は生産能力、利用規模、利用方法等に影響を及ぼすと認められる変更を伴う増築、模様替え等を当該機械・施設等の処分制限期間内に行うときは、あらかじめ交付対象者に報告させるものとする。
(農業共済等の積極的活用)
第26条 町は、農業共済組合と連携し、交付対象者に対し、経営の安定を図るため、農業共済その他の農業関係の保険への積極的な加入を促すものとする。
(効率的かつ適正な執行の確保)
第27条 町は、本事業が国民の貴重な税金を財源として実施されることに鑑み、交付対象者に対し、地域農業の振興に努めることを十分周知する。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。