○中泊町もったいない町民運動による循環型まちづくり条例

平成18年12月13日

条例第66号

私たちの住む地球。すべての生き物が共生し、進化を続けて今日の生態系が生まれました。私たち人間も、その一員です。

しかし、豊かで便利な生活をもたらした私たちの社会経済活動は、地球環境への負荷を増大させ、生態系の一部を破壊するなどの問題を引き起こしています。

これからは、地球の資源を浪費する大量生産・大量消費・大量廃棄の使い捨て社会から、適量生産・適量消費・最小廃棄の循環型社会へ転換し、限りある地球資源を守り、持続的に発展可能な地域社会の構築に努め、将来に引き継いでいかなければなりません。

そのため、町民一人ひとりが循環型まちづくりへの意識を持って、自らの生活・健康・環境等を見つめなおし、心・生命・物・エネルギーなどの大切さを再認識することが必要です。

私たちは、自然や社会に対する感謝・謙虚・優しさの心を大切にする「もったいない」の精神をみんなで持ち、中泊町の豊かな「大地の恵と海の幸」を永久に失わないよう、環境に優しく安全で安心な循環型社会のまちづくりを実現するために、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、もったいない町民運動による循環型まちづくりに関する基本的事項を定め、町、町民及び事業者が協働してまちづくりに取り組み、自然豊かで活力ある中泊町を形成し、次の世代へ引き継ぐことを目的とします。

(言葉の意味)

第2条 この条例で使われている言葉の意味は、次のとおりとします。

(1) 町民とは、町内に在住、在勤又は在学をする個人及びその他の団体等をいいます。

(2) 事業者とは、町内で事業を営む個人又は法人をいいます。

(3) 循環型まちづくりとは、環境を中心に考えて自らの生活を見直し、生命と物を大切にしながら、健康で幸福なまちづくりを行うことをいいます。

(4) もったいない町民運動とは、自然や社会に対する感謝・謙虚・優しさの心を大切にする「もったいない」の精神により、循環型まちづくり推進活動を実践していくことをいいます。

(基本理念)

第3条 町は、次に示している基本的な考え方によって、循環型まちづくりを進めていきます。

(1) 健全な自然環境が保全され、町民が楽しく働き、健康で快適な暮らしのできる持続可能な町を実現すること。

(2) 資源やエネルギーの消費抑制、新エネルギーの利用促進に努めるとともに、廃棄物等の発生抑制、再使用、再生利用を推進し、適正な資源循環を確保する町を実現すること。

(3) 町民一人ひとりが、環境保全を最優先課題と認識し、「もったいない町民運動」により環境問題の解決に向けて自ら考え、自ら実践していく町を実現すること。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下は「基本理念」といいます。)に基づき、循環型まちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を実施するものとします。

2 町は、循環型まちづくりの理解を推進するための普及啓発活動を行い、町民及び事業者の参画を奨励するものとします。

3 町は、循環型まちづくりを推進するに当たっては、町民及び事業者から意見を聴取し、施策に反映するものとします。

4 町は、循環型まちづくりに必要な情報を町民及び事業者に提供するものとします。

5 町は、業務又は観光等で中泊町を訪れる者に対して、基本理念の理解と循環型まちづくりに関する施策に協力を求めるものとします。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念を理解し、毎日の生活の中で地域や他の多くの人たちと協力して循環型まちづくりに進んで取り組むとともに、町が実施する循環型まちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとします。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、物の製造や加工、販売などの事業活動を行うときは、基本理念を理解し、町民と協力して循環型まちづくりに取り組むよう努めるとともに、町が実施する循環型まちづくりに関する施策に協力するよう努めるものとします。

(環境保全)

第7条 町は、人と自然が共生する社会を構築するため、次に掲げる施策に取り組むものとします。

(1) 循環型社会の形成に果たす役割の大きい森林の適正保全及び整備に努めること。

(2) 農地の適正保全及び整備並びに持続性の高い農業生産方式の導入促進に努めること。

(3) 水産資源の適切な保存及び管理のため、水産動植物の生育環境保全等に努めること。

(4) 健全な水の循環が行われるよう、排水処理施設等の適正な整備に努めること。

(5) 野生動植物の保護に努めること。

(6) 緑化の推進、緑地保全に努めること。

(7) 自然再生の推進に努めること。

(8) 公共工事等における自然環境への配慮に努めること。

(9) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項

(資源循環)

第8条 町は、限りある資源を有効に活用し、生じた廃棄物も資源として活用するゴミのない社会を構築するため、次に掲げる施策に取り組むものとします。

(1) 資源やエネルギー消費の抑制に努めること。

(2) 新エネルギーの利用促進に努めること。

(3) 環境への負荷低減のための交通対策に努めること。

(4) 廃棄物等の発生抑制と資源の循環的利用促進に努めること。

(5) 環境に優しい物品等への転換推進に努めること。

(6) 地産地消の促進に努めること。

(7) バイオマスを原料とする製品の使用促進に努めること。

(8) 産業廃棄物等の不法投棄及び公害等の対策強化に努めること。

(9) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項

(もったいない精神)

第9条 町は、「もったいない」の精神が生きている社会構築のため、次に掲げる施策に取り組むものとします。

(1) 循環型社会形成に関する教育及び学習に努めること。

(2) 伝統文化の保存及び継承に努めること。

(3) 生命や物を大切にするよう福祉や医療の充実、いじめや暴力の追放、火災予防等の推進に努めること。

(4) 町民の自発的な活動の推進に努めること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項

(もったいない町民運動の推進)

第10条 町民、事業者及び町は、循環型社会の形成を図るため、一体となって、日常的な実践活動としてもったいない町民運動を推進するものとします。

2 もったいない町民運動を実践するに当たっては、町民一人ひとりが人や環境に優しい暮らし方をするという認識を持ち、自らが毎日の生活を見直して、見栄・無理・無駄のないように努めるものとします。

(推進計画)

第11条 町は、基本理念に基づき、循環型まちづくりを推進するための計画(以下は「推進計画」といいます。)を策定するものとします。

(意見の聴取及び審議会等)

第12条 町は、推進計画を策定する場合においては、あらかじめ町民に意見を求めるものとします。

2 町は、第7条から第9条までに定めた施策を推進するに当たり、必要な場合は審議会、委員会及びプロジェクトチーム等を設けることができるものとします。

3 前2項に定めるもののほか、必要な事項は、別に定めるものとします。

(評価の実施)

第13条 町は、循環型まちづくりの目標に照らし、取り組みの有効性、効率性などについて評価を実施するものとします。

2 町は、循環型まちづくりの評価の結果を分かりやすく町民に公表するものとします。

(連携)

第14条 町は、循環型まちづくりの充実を図るため、他の自治体及び関連団体との連携並びに国際的な連携を図るものとします。

(町の体制整備)

第15条 町は、循環型まちづくりを推進するため必要と認められる場合においては、町の体制を整備するものとします。

(表彰)

第16条 町長は、循環型まちづくりの推進に著しく貢献した者を表彰することができるものとします。

(町民運動への支援)

第17条 町は、町民自身による自発的、自律的な循環型まちづくりを促進するために、もったいない町民運動を行う団体に対して、必要な支援を行うことができるものとします。

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定めます。

この条例は、公布の日から施行します。

中泊町もったいない町民運動による循環型まちづくり条例

平成18年12月13日 条例第66号

(平成18年12月13日施行)